「北大路魯山人先生 牡丹絵ゆのみ 十人」 魯山人と古美術より

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白磁の壺に牡丹を活け一日眺めていたことがあります。
花が開き始めるとどこからか高雅な香りが漂い始め、そして神々しくも清らかな大輪の花が浮かぶ葉の上に現れました。
あまりに美しくて美しくて、とても幸せな時間でした。
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本日、ご紹介させていただく魯山人先生の湯吞にはそれぞれに牡丹の絵が描かれています。
先生はありとあらゆる素材と意匠で多くの湯呑をお作りになりましたが、この湯吞は最も名高いものです。
牡丹は花の王様ですが、これは魯山人先生の湯吞の王様です。
十客を良く見比べていただけば、魯山人先生が語りたかったこと、伝えたかったことが良くわかります。
器でありながら芸術品であり、使うも良し眺めるも良し、十客用いれば十客とも同じようでそれぞれに違う。

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また近日中にご紹介いたしますが中国明時代の末期から清時代の初期にかけて景徳鎮などの民窯で作られたものに古染付や南京赤絵と言われるものがあります。
古染付や南京赤絵の意匠はとても面白く、例えば鳥の図が主題に描かれたとすると揃いの中の一枚だけ飛び立ってしまったのか鳥が描かれていないものがあります。意匠に物語が組み込まれているのです。素地も精製されている土を使わないので夾雑物などが含まれていることから肌合いも染付も色絵も雅味深く、悪く言えば粗製乱造ですが、筆致のスピード感と自由さと遊びがとにかく楽しいのです。
厳しく統制が整えられていた中国の官窯ではこのような遊びはあり得ないことですが、これが日本人の感性を大いにくすぐりました。
魯山人先生もご自分のコレクションだけで豪華本を上梓されるほどに古染付には特にのめり込みました。

そして実はこの古染付や南京赤絵の感性がこの牡丹絵の湯呑にも見え隠れています。

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牡丹絵の裏側には「牡丹一日紅 満城公子酔」と赤絵で書かれています。
咲き誇る牡丹の短い命を知っているからか、古の人々もその美しさに酔っていたのでしょう。

どんな世の中でも花の美しさに救われます。
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お知らせ
新型ウィルスコロナ感染症の拡大に伴い緊急事態宣言中が発令されました。
しぶや黒田陶苑ならびに魯卿あんもその期間を臨時休業とさせていただいております。

4月の開催予定でありました以下の展示会も5月に変更させていただきました。
※状況に応じましては変更の場合がございます

「魯山人と古美術」

開催場所:魯卿あん(京橋店)

開催日時:2020年5月11日(月) ~ (詳細についてはお問合せ下さい)

営業時間:11:00 ~ 18:00

「作陶四十周年 丸田宗彦展」

開催場所:しぶや黒田陶苑

開催日時:2020年5月29日(金) ~ 6月2日(火) 

営業時間:11:00 ~ 19:00


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