鵲巣居の一展 その七

河井寛次郎先生の三彩茶碗はやきものの抽象表現主義と言っても良いかもしれません。桃山時代には柄杓で流し掛けた朝鮮唐津などもあります。 海外では代表的な作家としてジャクソンポロックが1940年代からドロッピングをサムフランスもペインティングを合せた鮮やかで美しい色合いの絵を発表いたしました。 この茶碗はまるで高麗茶碗を見るような…

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鵲巣居の一展 その6  加守田章二先生 1977年 壺

まるで近未来の建物かどこかの民族の建物を想起させるような造形である。開口部は楕円形になっている。底部から約5㎝の部分は白化粧を薄く掛けた素地を露わにしていてその他は黒釉を施している。 縦に伸びている抜けた線や文様の枠取りは黒を描き残しているのが特徴である。羽衣文などと言われる主文様は青釉を基調に浮遊しているよう…

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鵲巣居の一展 その五 八木一夫先生 ニュートンの耳

ニュートンはりんごが木から落ちることから万有引力を発見したとされる。真偽は諸説あるらしいが象徴的なシンボルとしてのそのリンゴをバッサリと切り取りその半分を耳として表現している。  耳に執拗にこだわったオブジェを制作し続けた三木富雄先生は八木一夫先生よりも10歳ほど若く、没年はほぼ一緒であり同時代の作家ともいえる。 この作品を…

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鵲巣居の一展 その4 岡部嶺男先生 絵志野茶碗

岡部嶺男先生の志野は他の作家とは一線を画す釉調を呈している。その志野釉は艶やかで凄みがあって玉のように美しい光を発している。この茶碗はその代表的な茶碗の一つとしてご紹介したい。鉄絵は円相よりも躍動感のある楕円形のものを二つ描いている。轆轤目がゆったりとしているのも気持ちが良い。 最大の魅せ場は高台である。薔…

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今日の点前座 2

水指は金重まこと先生の黒胡麻と美しい緋色の土の景色の対比が見事な信楽水指、茶碗は金重素山先生が鈴木蔵先生の窯で80歳の時に作られた志野茶碗、茶器は金重有邦先生の趣のある山土を存分に生かし造形の面白い伊部茶器、茶杓は飯塚小玕斎先生の「一葉」という銘の付いたものを取り合わせいたしました。まこと先生は素山先生の長男、金重…

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鵲巣居の一展 その三 北大路魯山人先生 筒花入 「寂すけ」

北大路魯山人先生が竹の花入に創意を得たものである。 一重切という一つの窓を大きく開口している姿は正に花を待っているようである。彫刻作品のようにどこから見ても良いようにまた生命力豊かに造形されている。その躍動感溢れる器体には鉄絵でみっしりとランダムに縦の線を描いている。その線の濃淡も見所となっている。 1996年に開催した名古…

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今日の点前座

だんだん涼しくなってきましたが夏の名残りで平水指と平茶碗を取り合わせしてみました。 水指は金重陶陽先生の備前火襷平水指で壺心庵の自署による特性の杉箱に入っています。茶碗は石黒宗麿先生の淡藍釉碗で珍しい作品です。この作品は神戸にある適翠美術館にも展示されたこともあります。茶器は金重素山先生の木の葉茶器で大本教の鶴山窯、花明山窯の…

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鵲巣居の一展 富本憲吉先生 色繪金銀彩徳利

「模様から模様をつくらず」と何度も語られた富本憲吉先生。その模様の中でもテイカカズラから着想した四弁花と羊歯が元になった羊歯文様は作者の代名詞ともなっている。古美術などそれまであった模様や自然の題材をそのまま使わず練りに練った模様を創り上げた。古今東西に存在しているものの真似を一切するなという明快で創作家として最も大切な矜持は弟…

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鵲巣居の一展

「鵲巣居の一展」 石黒宗麿先生の自邸に掛けられていたと言われるこの扁額が手に入ったのは十数年前のことです。求めてすぐに明治通側の小部屋にこれを掛けて小さな展示会をしておりました。しかしあまりに空調が悪く数回で断念しましたがこの度渋谷のギャラリー左奥の応接間のスペースを改めて「鵲巣居」にすることにいたしました。近現代陶芸を一…

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伊藤秀人展

中国の宋時代の官窯青磁に魅せられた伊藤秀人は青磁をあらゆる角度から研究し始めた。 その官窯青磁から放たれる高格な香りはどこからくるのか、どうして人の心をつかんで離さないのかを一ずつ 紐解いていった。その伊藤の姿勢に青磁に憧れる鑑賞者たちも彼に夢を託するようになってきた。  節目としての展示会となるこの機会に官窯青磁に倣った…

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李朝的

河井寛次郎先生の中年期の作品は李朝的だと思います。一様に李朝と言っても様々なものがありますが中でも民窯的な李朝に通ずるものがありそうです。一方並べた染付の秋草手の陶片は李朝の中でも官窯のものです。寛次郎先生のものと並べると雰囲気が違うのが愉しめます。 本作品は京都近代美術館所蔵の同手ものよりも3㎝大きい作品。辰砂の…

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今年一番

今年を振り返って一番思い出深かったものはこの作品かもしれません。 先々代がこの作品自体を魯山人先生へ制作注文された大旦那様、そしてそのご子孫である所有者がお亡くなり、いつかは出てくるとは聞いておりましたが見たときは迷わず買うしかないと思った作品です。 魯山人先生はこの作品を作るべく大変なご努力をされて完成させました。…

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来年

2016年2月には渋谷と魯卿あんにて「山口長男とやきもの展」を開催いたします。 約7年ぶりとなります今回は長男先生に併せて展示するやきものが一新いたします。 時間軸と地域を拡げ、縄文から現代まで、地域も日本から脱出して韓国やペルシャなど魅力のあるものをさがしております。 踏まれてもなお毅然として自分を貫いているような御…

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かなり前ですがある古美術商の大先輩が器物の観方を教えてくれました。 「口から発している気。 そこに気品があるかどうか。 一番最初に目につくのは「形」でもなく「色」でもない。 口である。」 これをお聞きする前もきっとそう見ていたのかもしれませんが、意識して観ると「口」に目が行っているようです。 先日、来年の…

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画家の詩 詩人の絵

「詩人と画家、  それはふたつの人種ではない。  二人はある日、どこかで出会ったのだが、  あとから確かめるすべもなく  ふたつが、ひとつのもののなかで出会う。」 瀧口修造先生が残されたお言葉です。 平塚市美術館で見逃した展示会を追いかけて碧南市まで行きました。 展示内容も良いのですが展…

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本日、松涛美術館で石黒宗麿先生の展示会が始まりました。

あらゆる分野の作家の方々に読んでいただきたいことがここに記されています。 きっとこの漢詩は宗麿先生が自戒のためにもお書きになられたのではないかと推察しています。 自分が思うように評価を得られず、そして自分が評価をしないものを世間が評価する。 宗麿先生がそうであったように私たちも同じような思いをすることが多々あると思います。…

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華岳先生

人生に希望を失い自殺を遂げようとしていた方がたまたま開催していた華岳展のポスターを見ているうちにどうしても一目だけみたくなり、展示会会場に入った。国画創作協会出品の裸婦図(久遠の女性)を前に二時間を過ごし、そのうちに「死んではいけない」という声がひびいて来た。その後、あの絵のおかげで生きかえりましたという礼状が展示会の主催者に届…

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巴文は弓矢で怪我をしないように左手に付けらてれている革製の「鞆」を図案化したとされる説や古代からの魔除けとされる勾玉を図案化したと言われる説など他にも色々と諸説があり、文様にも一つ巴や二つ巴や三つ巴などがあります。古瀬戸の代表的なものとして愛知県陶磁博物館や九州国立博物館などに素晴らしい瓶子が収蔵されています。当方の巴はずっと文…

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グラデーション

やきものは本当に面白い。 同じ素材の土が自然釉を被ったり、窯の中の設置場所、温度変化や風の流れなどによって全く違う色を呈することがある。また水に濡れることによって一層色が深くなったり、使うことで艶を増したりする。 色だけに焦点をあてても面白いことがたくさんある。 小山冨士夫先生 種子島茶碗 共箱

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池田巖先生

池田巖先生にはいつもお茶や美術に関するいろいろなことをお教えいただいております。 時間軸も古代から現代まで、東洋のものから欧米のものまで、漆からアクリルの絵まで本当になんでもお詳しく私が申し上げるのがご無礼になるかもしれませんが美意識が図抜けて高いのです。  そんな方の作品ですから私どもも大いに魅力を感じて縁があれば先生の2…

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