山口長男先生

山口長男先生 「岐」 一九七〇年六月 平面でありながらも立体を感じそしていつまでも見ていたい底知れぬ深さを感じる。 やきものと取り合わせてをしてみたくなるのもまた嬉しいところである。 長男先生の50年代60代のより造形的なものも良いが70年代の静かで達観した美にも執着してしまう。

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夏の終わりに

瀟洒な素地に波文が陰刻されている。 ぬめっとした釉薬は「緑釉」。 常の白磁釉よりも黄緑かかった釉薬が施されている。 夏の終わりの海を想いながらこの小碗を愛でたいと思う。 塚本快示先生 緑釉小碗 共箱

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北大路魯山人先生 於里辺四方平鉢

北大路魯山人先生 於里辺四方平鉢 共箱 下駄足の付いている四方平鉢には優品が多い。畳の上の懐石でもテーブルの上でも格調高く主役となる。鞍馬石などで叩いて成形した後、四隅を引き上げ、縁を自在に波だている。魚とそれを追いかける6隻の舟を南画調に鉄絵で描いている。上下には辰砂に発色した織部釉が夕焼け空のように掛かっている。底部には「…

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加守田章二先生 酒呑

加守田章二先生 酒呑 共箱 明るくざっくりとした土を用いている作品である。時折、小石を噛んでいるのも土の表情を豊かにしている。青・白・緑・黒で描かれた線文の山形の文様が上下に交互に配されている。その余白の取り方や口の部分から透明釉を掛けて見所の一つとしているところが加守田章二先生らしい。内側には薄い白化粧に透明釉が施され、高台…

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加守田章二先生 酒呑

加守田章二先生 酒呑 共箱 まるでパウル・クレーの絵を見るようである。とても愛らしい作品である。白抜きされた蕨のような文様には鉄絵で点文が描かれる。芽の部分には眼があり生命感を感じさせる。その背景には深みのある青釉。この対比が美しい。底部まで青釉を施釉されていて、内側には刷毛目で白化粧された後に透明釉が施されている。畳付に「章…

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加守田章二先生 酒呑 共箱 1975年に制作されたこの手の作品は南青山のグリーンギャラリーで壺を中心に発表されている。底部から上に向かっていく文様は通称飛翔文などとも言われ見ていて気持ちが良い。このような小品も大作と同じように気持ちが込められているのが良くわかる。ザラっとした質感の彩色の地によって残された白の地が文様を際立…

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加守田章二先生 酒呑

加守田章二先生 酒呑 共箱 1973年の彩色手の作品である。特有のザラっとした土に彩色の赤・黒・緑・赤・紺・緑とリズムカルに有機的な文様を上下交互に配している。その文様には必ず白い目があり生命感を感じさせる。7.8cmと盃としてはかなり大振なのも特徴的である。内側には灰釉が施されている。文様だけでなく形の美しさにも注目したい。…

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小山冨士夫先生 粉引酒觴 

小山冨士夫先生 粉引酒觴 共箱 お茶やお酒などが染み込み景色をなす粉引には育てる楽しみがある。染み入った部分は御本のような桃色を呈するであろう。この酒盃は見込みに月形の抜けと正面にはハート形のような抜けがあるのが面白い。口は端反りしていてお酒がすっと入ってきそうである。高台脇に「古」の鉄絵銘がある。  白磁を作りたかったが白…

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小山冨士夫先生 磁州窯風花入 

小山冨士夫先生 磁州窯風花入 共箱 特に日本人が愛した鑑賞陶器に宋時代の磁州窯がある。胎土が白くないために白化粧をして透明釉を掛ける。特に文様がなく白無地のものを鉅鹿(きょろく)手とも言う。中国鑑賞陶器の中でも多く画家たちによって愛され描かれている。小山冨士夫先生の白花入も磁州窯のゆったりとした空気感を捉え自分のものとしている…

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小山冨士夫先生 種子島茶碗

小山冨士夫先生 種子島茶碗 共箱 種子島独特の土はこの激しい焼成によって生かされる。ガサついたような土味は灰被りにより野趣に富む。大きさはやや小振り、火の力で自然に押されたような沓形を呈している。この茶碗の見込には大きな丸い抜けがあり、水に濡れることで緋色に赤味が増す。使うほどに手に馴染んで来るであろう。高台内に「古」の刻…

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加守田章二先生 湯呑

加守田章二先生 湯呑 1973年の彩色手の作品である。重厚感のある素地にギザギザの有機的な文様を彩色で波のように配している。赤・黒・緑・紺の文様は必ず目を持ち生命感を感じさせる。石ハゼの表情が文様を通して見えているのも趣を添えている。内側には透明釉が掛かっている。湯呑としてではなく一つの芸術品として紹介したい作品である。

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石黒宗麿先生 失透釉茶碗

石黒宗麿先生 失透釉茶碗 共箱 高麗茶碗の伊羅保から発想であろうか。自然にバラっとして離れたような口造りに特徴がある。上部と見込は藁灰を用いて斑唐津のようである。下部には灰釉を掛けているがその二つの釉薬を混ぜずに土を見せている。この掛け残しを 三日月形にしているところに宗麿先生の美意識が見える。小石を噛む土を用いていることが釉…

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小山冨士夫先生 斑唐津茶碗

小山冨士夫先生 斑唐津茶碗 共箱 斑唐津の釉調が誠に美しい茶碗である。藁灰らしい白い部分、還元した青い部分、そして斑模様の部分が混在し釉薬は溶け合っている。使うほどに土は馴染み、潤い、釉調もさらに変わっていくであろう。やきものの醍醐味がここにある。先生の特有の柿の蔕茶碗の形をしている。高台は豪快でスピード感を感じさせる作りとな…

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加藤 唐九郎先生 シノくい呑み

加藤 唐九郎先生 シノくい呑み 共箱 酒器の横綱である加藤唐九郎先生の志野くい呑みである。濃淡のある志野釉を通して見える鉄絵は抽象画のようである。その絵を追って行くとまるで音楽を聴いているかのような気持ちとなる。ザックリした百草土は味わい深く薄くなった志野釉の部分や釉の際に美しい緋色が見られる。正面に入れられた箆目…

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荒川豊藏先生 志乃酒盃

荒川豊藏先生 志乃酒盃 共箱 大きな石を噛む特徴的な酒盃である。形は輪花を呈してやや小振りである。釉調は頗る良く、指痕や薄くなった部分には美しい緋色となっている。志野釉自体も単調でなく素地の作りが影響するのか独特の罅が出ている。中央の轆轤目が小さいながらも力強さを物語っている。

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荒川豊藏先生 志乃酒盃

荒川豊藏先生 志乃酒盃 共箱 五つの指痕が景色となっている大振りの酒盃である。やや桃色を呈する志野釉が景色豊かな釉調を見せてくれる。やわらかい輪花形となっている。こうした酒盃などの小品は茶碗の中で輪トッチンの上にのせて焼成させている。接触したその部分には緋色が美しく出ている。見込には横になった「斗」が大きく刻銘されている。…

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十一代三輪休雪(壽雪)先生 萩焼盃

十一代 三輪休雪(壽雪) 萩焼盃 共箱 三輪壽雪先生が創作した萩のスタイルは偉大である。兄であった休和先生から受け継いだものをより豪快に直接的に伝えてくれる。躍動的な釉掛けも魅力的で黒い見島土が白萩釉を弾くことにより圧倒的な景色を作る。小石を多く噛んだ赤みのある土が釉と対比する。何よりも雪のようなこの白萩の釉薬の美しさは三輪の…

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川喜田半泥子先生 ひげ徳利

川喜田半泥子先生 ひげ徳利 共箱 髭徳利は18世紀あたりからドイツを中心に葡萄酒やビールなどを入れる器として流行した。各地で作られ又長い間作られたことから様々なものがあり興味深い。この作品は半泥子先生の中でも初見のものである。堂々とした髭を蓄えた人物の顔が貼付けされ、指で土を押し付け作られた把手が付けられている。下部には「…

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金重素山先生 伊部耳付花入

金重素山先生 伊部耳付花入 共箱 観音土で成形し乾燥後に最も良い形のものを窯変やカセ胡麻の場所に置き焼成する。焼成りの良いものが形も良い最大の理由である。釉薬を使わずにこのような景色を作る。炭化した黒に緋色のぬけが美しい。水に濡れれば尚、色が冴えるであろう。お腹の部分を少し押し、絶妙な耳を付けている。箆目を極力おさえている…

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山田山庵先生 水中花 

山田山庵先生 水中花 共箱 鵬雲斎銘   本作品も「杜鵑」とともに昭和63年の自選展に出展された茶碗である。光悦写しではこの作家の右に出るものはないであろう。古美術を熟知し制作する姿勢は作家の王道である。 掌にすっぽりと治まり正面の段違いの景色、焼成の妙による黒と赤の対比が見所である。見込は広く、貫入は細かく複雑な色調を呈して…

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