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zoom RSS 鵲巣居の一展 富本憲吉先生 色繪金銀彩徳利

<<   作成日時 : 2017/09/06 11:13   >>

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「模様から模様をつくらず」と何度も語られた富本憲吉先生。その模様の中でもテイカカズラから着想した四弁花と羊歯が元になった羊歯文様は作者の代名詞ともなっている。古美術などそれまであった模様や自然の題材をそのまま使わず練りに練った模様を創り上げた。古今東西に存在しているものの真似を一切するなという明快で創作家として最も大切な矜持は弟子であった加守田章二先生や栗木達介先生に受け継がれていった。

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今回、ご紹介する作品はその富本先生を代表するような名品である。
六角を呈している飄形は上下で捩れている。その飄形の底部と口縁を除き濃厚な赤呉須を施す。金と銀彩による羊歯の連続模様がリズムカルに配されている。  
 この作品は第七回上野松坂屋の北斗会に出陳されている。北斗会は日本画からは横山大観先生、川井玉堂先生、洋画は梅原龍三郎先生、坂本繁二郎先生、彫刻の平櫛田中先生、陶芸は富本憲吉先生と板谷波山先生の二人のみの錚々たる巨匠たちの名品展である。第十回には新作といままでの代表的な作品がA3版の大きな図録にこの作品も掲載されている。またこの作品には前所有者の松下幽迷庵の手紙が添えられている。
以下はその手紙の内容である。

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「富本さんとはじめて逢ったのはどこであったか、いまはもう忘れてしまった。しかし戦後、富本さんが京都でやきものを焼くようになってから新烏丸の一室で色絵の話しをきいたことがある。それ以来わたくしは氏の芸術に傾とうして新しい作品ができる毎に求めたのである。この色絵羊歯文様の金銀彩捻徳利もその一ツである。ところが富本さんはこの徳利は松坂屋主催の北斗展(第七回)に出陳を約束しているので今日直ちにもちかへるのはこまる。いづれ大阪、名古屋、東京と展覧が終わってからにしてほしい。私はやむをえずそのままにして展覧が済むのを一日千秋で待った。それほどこの徳利には興味を覚えている。私が好きな煎茶の催しにもたびたび花を活けて自他ともに愉しんだことはいまに忘れぬ。あるときは知人からの求めに応じてお貸ししたことも数々あってこの徳利こそ幽迷庵家蔵中愛しなじみ深いものだ。氏の逝去をおしむあまり
「窯の火が 消えて巨匠は 遂に逝く」
一九六三年 七月三十日 浪華北辺住む 煎茶たのしむ人
やせ浪人
幽迷庵しるす」

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富本憲吉先生 色繪金銀彩徳利 二重共箱 第七回北斗会出展作品

鵲巣居 一展

展示期間
9月8日(金)〜12日(火)




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